1960年代、ヨーロッパ・アルプスは当時の先鋭クライマーたちの憧れの的でした。1965年に日本人として初めてマッターホルン北壁の登攀に成功した芳野満彦(アルパインツアー前会長)は、1969年にその山麓へ日本初のヨーロッパ・アルプス公募ハイキング・ツアーを企画し実施しました。以来、30余年間、私たちは世界中の山岳辺境地帯へ、日本初のツアーを、また、時には世界初のツアーを、次々に企画し実施し続けてきました。私たちはトレッキングという山歩きのかたちを日本に紹介し広めもしました。「トレッキング」という言葉を商標登録したこともありましたが、ありがたいことに、今やすっかり一般に定着した言葉になりました。このように、現在日本で一般に知られるようになった世界の山旅のほとんどは、私たちが日本で初めて、また時には世界で初めて、手がけた企画なのです。アルパインツアーが常に「世界の山旅」のパイオニアとして歩んできた道は、そのまま、日本の山岳旅行の歴史でもあります。