世界の山旅を手がけて49年 アルパインツアー

変化に富んだピレネーの自然
　ピレネー山脈はフランスとスペインの国境をなす東西約400kmにも及ぶ大きな山脈ですが、日本では詳しいガイドブックなどはほとんど無く、その魅力はあまり知られていません。氷河によって深く削られた大圏谷や、迫力の岩峰群、点在する山上湖、花咲く草原、美しいブナの森など非常に変化に富んだ地形は、ヨーロッパ・アルプスや、カナディアン・ロッキーなどに引けを取らない美しさです。

ドラマチックな国境越えへ
　フランスからスペインへ、国境上にそそり立つ大岩壁の裂け目“ブレッシュ・ド・ローラン”を越える1泊2日のトレッキングルートは、ピレネー山脈に数ある峠越えのうち最も人気のあるルートです。いくつもの滝が流れ落ちる世界遺産のガバルニー大圏谷を登り切ると、眼前に屏風の壁を切り裂いたような岩峰の裂け目が現れます。残雪が残る雪渓を越え、両国の国境をまたげば感動がこみ上げてくるでしょう。フランス側とはうってかわってスペイン側では雄大な渓谷美が私たちを迎え入れてくれます。足下に咲く色彩豊かな高山植物が織りなす光景は大変美しく、宿泊の山小屋周辺は明るく開けた谷に位置するため、到着後の周辺の散策も楽しみです。山小屋もスタッフが常駐しているため快適で、ブランケットなどの寝具が完備されています。食事も野菜が多くおいしいと評判です。2日目は花咲くトレイルを歩き、美しいブナの森が広がる世界遺産のオルデサ渓谷へと下山します。下山後に宿泊するトルラも素朴な田舎町の雰囲気が残る素敵なところですから、ぜひ散策してみてください。

観光も楽しみ
　ピレネーのトレッキングを終えて充実感に満たされつつ、旅のフィナーレはバルセロナへ向かいます。キリスト教の聖地モンセラットや、ガウディの最高傑作と言われるサグラダ・ファミリアなどを見学し、情熱のフラメンコショーも鑑賞します。変化に富んだトレッキングと観光を楽しむ充実の10日間です。

私のおすすめ！
鈴木 謙介（すずき けんすけ）