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2016/09/02 お知らせ

〜 現地からの便り・その1〜 タスマニア島の魅力、花と青空市

 タスマニア島はオーストラリア大陸の南方、南緯40度から43度に位置しています。オーストラリア東部沿岸からタスマニア沖まで流れる東オーストラリア海流の影響で、夏は涼しく冬は温かく、過ごしやすいのが特徴です。タスマニア島の西には大陸がないことから、世界で一番空気のきれいなところだとも言われています。
 タスマニア島の夏は11月に始まります。春と夏が一度にやってくる感じで、色とりどりの花々が咲き誇る季節です。中でもタスマニアワラタは、タスマニア島を代表する固有種で、ワイルドフラワーを紹介する本の表紙にたびたび選ばれる美しい花です。花の大きさは手のひらほどで、鮮やかな赤色の花弁がタスマニア島の青い空に特に際立ちます。日当たりのよい場所に咲くレモンセンティッドボロニアは、葉っぱを手でこするとレモンの香りがします。私はこの花を見つけたときはいつも皆さまに香りを楽しんでいただいています。サクラよりも一回り大きな白い花をつけるレザーウッドは、お土産として人気の蜂蜜が採れることで知られています。
 タスマニア島の都市ホバート滞在中に是非訪れていただきたい場所の1つがサラマンカプレースです。ここは捕鯨が盛んだった時代に使用された倉庫街で、1830年代にイギリスからの囚人たちによって建てられました。現在はカフェやパブ、オフィスとして利用され、地元の人たちが多く集うにぎやかな場所です。毎週土曜日にはここでサラマンカマーケット(青空市)が開催されます。ウエリントン山(1,270m)をバックに、砂岩独特の風合いをもつ倉庫街を散策しながら、ワインやハチミツなどのお土産を探したり、地元で収穫されたフルーツやシーフードを食べたりと、気軽に楽しむことができます。
 タスマニア島で過ごす休日は、日中は花を見ながら国立公園でハイキングを。食事はきれいな空気と青い空の下で育まれたシーフードやタスマニアビーフを食べながら、地元産のワインをお楽しみいただくのがおすすめです。日沈後には、宿の周りに愛らしい野生動物がしばしば現れます。ワラビーやウォンバットなどの有袋類の仲間を探して観察することもタスマニア島ならではの体験です。寝床でお休みになる前には空を眺めてみてください。天の川と南十字星が見られると思います。そして何より、世界で一番きれいだとも言われるタスマニア島の空気で、是非一度、大きな深呼吸をしてみてください。

文:石川 博規(Hiroki ISHIKAWA)


石川 博規(Hiroki ISHIKAWA)プロフィール
学生時代は農学部で農芸化学を学ぶ。登山一家の中で育ち、幼少時代から自然と山と親しむ。本格的に登山を開始したのは、大学時代に所属したワンダーフォーゲル部から。タスマニア島の動植物や環境に魅了されて1998年にタスマニア島のホバートへ移住、現在に至る。