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2017/09/13 お知らせ

【特集】 全長約65kmのロングトレイルを踏破 初夏のタスマニア島、オーバーランド・トラックへ

 オーバーランド・トラックの最大の魅力は、食料・燃料・寝袋・マットなどの嵩張って重たい装備を背負わずに、宿泊する5つのロッジを全て貸し切りで利用しながら、世界遺産の原生地域を踏破できることです。
 インディゴブルーの海に囲まれたタスマニア島の面積は、北海道の80%ほどで、その約25%もが太古の森や大地の姿が保存されたタスマニア原生地域と呼ばれる世界遺産に登録されています。この広大な原生地域の深部にまで行くためには、一般的には食料や寝袋などの装備を担がなければならず容易には足を踏み入れることができませんが、ロッジに泊まりながら原生地域を北から南に縦断する全長約65kmのオーバーランド・トラックを6日間かけて踏破することで、手付かずで貴重なその大自然に近づくことができるのです。
 シンプルで機能的な造りが魅力の5つのロッジは、いずれもトレイル上からは見つけることができない秘密の場所にあります。お客さまが原生地域の大自然とより一体となれるよう配慮された知る人ぞ知る(場所を知る人でないと辿り着けない)隠れ家のような宿です。温水シャワーと乾燥室の設備を完備しているため、パッキングをする着替えは最小限に抑えることができ、トレッキング中に背負う荷物の重量は8kg程度が標準的な重さとなります。一日を歩ききったご褒美には現地ガイドの手料理とワインが、癒しの温水シャワーが、そして静寂の夜が待っています。
 トレッキングは、タスマニア島を代表する象徴的な山として知られるクレイドルマウンテン(1,545m)の雄姿を眺めながら1日目が始まります。やがて黄金色のボタングラスと白い枝がうねるように伸びたユーカリのコントラストが際立つタスマニア島の原風景を想わせる平原に至り、遂にはボタングラスのみ一色の大平原にトレイルは突入していきます。最大のハイライトは、4日目におこなうタスマニア島の最高峰Mt.オッサ(1,617m)の登頂です。精霊が宿るかのような古い森を5日目に、幹の太いユーカリが立ち並ぶ新しい森を6日目にそれぞれ歩き抜け、最後の吊橋を渡れば感動のゴールは目前です。
 11月になるとタスマニア島には春と夏が一度に訪れると同時に花々が咲き始めます。スコパリアやマウンテンロケット、クリスマスベルなどが足元を彩ります。中でもタスマニア島を代表する花といえば固有種のワラタです。花の大きさは手のひらほどで、鮮やかな赤色の花弁が特徴的で一見の価値があります。見ておくべき花はワラタです。花好きの皆さまは、是非、11月または12月出発のオーバーランド・トラックにお出かけください。


文:中川 元宏(名古屋営業所


タスマニア島 オーバーランド・トラック 10日間



タスマニア島の象徴的な山・クレイドルマウンテンの雄姿を眺めながら



タスマニア島を代表する花・ワラタ