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□ツアーで行く、登山やトレッキングの魅力とは、何でしょうか?
「合理的で安心できる段取りです。交通、宿泊の手配や登山地域情報プラス気象情報なども事前に確認しています。国内とはいえ、個人でそれらをすべて自分でやるのは大変です。それから、経験豊富で頼りがいのあるツアーリーダーの存在も重要だと思います。」
「海外の場合は、その地域の人々や文化にふれることができます。一般観光ツアーのように、バスからの車窓見物だけではなく、住民の生活道を歩くことができるのです。ネパールではいまでも七輪や石油コンロを使っていますし、小さな子供がもっと小さな子供の面倒をみています。現在の日本では失われたことばかりです。海外の場合は、『一人では行けない、でも行きたい』を実現できるのです。」
□登山やトレッキングを運行するときに、とくに注意を払っている点は?
「国内企画では、旅行業ツアー登山協議会が制定した『ツアー登山運行ガイドライン』と引率者と参加者の人数比率を定めた『ガイドレシオ』を遵守しています。20人や30人をたった一人で引率するなんてことはありません。」
「参加申込書には、自身の健康状態(持病や既往症)や主な山行経験を記入してもらっています。高所ツアーでは過去の高所経験も記載してもらっています。日本登山医学会の専門医で構成する『登山者検診ネットワーク』を利用して、健康診断を受けていただいています。」
「山行経験が不足だと感じたら、担当者がお客様に電話して聞き取るようにしています。コースの変更などをお願いすることも稀にあります。」
「海外の場合、お客様には必ず任意保険に加入していただくようにしています。クレジットカードに付帯している保険では不充分ですから上乗せ保険をおすすめしています。」
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□ツアーリーダー業務で面白かったことは?
「仕事ですから、面白おかしいことなどはありません。いつも真剣勝負だと思っています。それでも、この仕事は好きな道ですから、ツアーリーダーは、お客様とともに一緒に山旅を楽しむことを心がけています。でも、くだけすぎるとしっぺ返しを食らってしまいます。あくまでも、お客様とサービス提供者としての立場は変わりませんから。」
□ツアーリーダー業務でたいへんだったことは?
「長くツアーリーダー業務にたずさわってきた社員や専任ツアーリーダーの多くは、シリアスな場面を知っています。『山では何が起きるかわからない』とよく言われますが、ときには、急病で入院されたり、高所からヘリでレスキューされたりするケースもあります。そんなときに冷静沈着で適切な対応がすぐにとれることが重要です。毎年春と秋には、危急時対応などの社内研修をおこない、万一に備えています。
「ときには大失敗もすることがあります。前代未聞のことですが、つい先日、帰国便の予約日が違っていることに気付かず、お客様にたいへんご心配をかけてしまいました。結局本社と現地で航空会社とかけあって予定の便にお乗りいただけましたけど、確認不足でした。最近の航空券は『Eチケット』といって、区間ごとのクーポンでなく、『1枚の紙』です。そこにたくさんの記号や数字が記載されているので、斜め読みして見落としたのです。もう二度と同じ間違いはしません。ご迷惑をおかけしたお客様に深くお詫び申し上げます。」
□この仕事をしていてよかったと思えた瞬間は?
「ビジネスとしてお金までもらっているのに、『ありがとう。夢がかなったよ』と心から感謝されたときです。」
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□他社の登山ツアーについてアドバイスするとすれば?
「当社は、登山・トレッキングの専門会社で、むしろ旅行業界よりも登山界のほうに半身浸っているようなものですから、プロフェッショナルな旅行会社の人たちにアドバイスなどできませんし、『人の振りみてわが振り直せ』なんて言ったら叱られると思いますけど、当社のほうが、他の旅行会社の(プロとしての)やりかたを見て勉強しています。ただ、トレッキングや登山でメシを食うということは生半可な気持ではできないと思っています。私たち自身が、登山者としての立場で企画立案することが重要であり、そうでなければ、お客さまと価値観の共有はできないとおもっています。てっとり早く言えば、『企画立案者や会社中枢幹部が実際に登山すること』ではないかと思います。机上の理論は実戦では通用しないのが登山ではないでしょうか。」
□今後の目標は?
「もっとたくさんのお客さまに“世界の山旅”を楽しんでいただくことと、旅行会社として欠けている部分を補完することです。でも、その『欠けているもの』が、『専門性の維持』には必要なのかもしれません。端的に言えば、『普通の旅行会社にはならない』ことです。」
□おわりに一言。
「当社の旅行代金には『思い入れ額ゼロ円』が含まれています。山好きな連中がつくる『山旅』を、山好きな人々に心から楽しんでもらいたい、という思い入れです。お客様とツアーリーダーが、よろこびも苦労もわかちあえるような、感動できるツアー運営には、企画実施する会社としての真の思い入れがなくてはいけないと心底から思っています。
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