山旅情報誌 Newsletter

現在ユネスコに登録されている世界遺産(文化・自然・複合)は851件(2007年10月現在)。そのいずれもが地球と人類の歴史によって生み出された次世代に受け継ぐべき人類共通のたからものです。アルパインツアーでは、その中から「歩く」ことでより一層、その価値と魅力を実感できる世界遺産を、その楽しみ方とともにご紹介します。


NZ南島に位置する世界遺産「テ・ワヒポウナム」は、マオリの言葉で「グリーンストーンが取れる場所」を意味する。フィヨルドランド、マウ
ント・クック、ウェストランド、マウント・アスパイアリングの4つの国立公園にまたがり、NZ全土の10分の1を占める広大なエリアである。
サザンアルプスと氷河の山岳景観、壮大なフィヨルド、太古から残るブナの原生林などが広がり、NZの多様な自然を目の当たりにすることが
できるエリアだ。


山岳展望に優れ、渓谷から山上の湖へ、そしてブナの森から稜線の峠へと、最も変化に富んだ山歩きが楽しめるコースと言えば、ルートバーン・トラックである。クイーンズタウンで、これから2泊3日の山旅をともにする各国のトレッカーやガイドと合流する。バスに揺られること約4時間、登山口であるディバイド峠へ。トレッキングは、ここからキー・サミットへの登りで始まる。森林限界を越え、キー・サミットとハ
ウデン湖への分岐点に着く。ここから約30分のキー・サミット山頂付近は、池塘が広がる高層湿原で、日本庭園のような趣がある。眼前に
広がるクリスチーナ山をはじめとするフィヨルドランドの山々の景観は素晴らしい。
分岐点に戻り、ハウデン湖を過ぎると道は再び樹林帯の中へ。イヤーランド滝を過ぎると、左手にホリフォード谷やダーラン山脈の山々を見な

 


▲オーシャンピークコーナーを行き交うトレッカー

がらの尾根歩きとなる。樹林帯の中
を下りきると、1日目の宿泊地であるマッケンジー小屋へ到着する。ガイド付きのトレッキングで宿泊するロッジには、シャワーと乾燥室が完備されている。また夕食はガイドに
よる温かい料理が提供される。夜、美味しいビールやワインを飲みながら、他国の参加者と語らうのもトレッキングのもう一つの大きな楽しみだ。このように、快適な設備を持つロッジに滞在しながらゆっくり自然に触れることができるのは、N Zトレッキングの大きな特徴と言えるだろう。なお、エミリーピークを投影するマッケンジー湖までは、小屋からすぐ。ぜひ往復しておこう。


2日目は、まず湖畔の道を通り、標高差300mをジグザグに登る。登り切ったところがオーシャンピーク・コーナーで、一気に展望が開ける。ホリフォード・フェイスと呼ばれる山腹の水平道からは、眼前にダーラン山脈を、そして眼下にホリフォード谷を見下ろすことができる。



このコースのハイライトとも言える素晴らしい景観を眺めながらの快適な山歩きを満喫しよう。約2時間でハリスサドルに到着。昼食と、ガイドが作ってくれる温かい飲み物で休憩したら、コニカルヒルを往復する。約1時間半で到達する頂上からは、360度の大展望が広がり、天気が良ければ遠くタスマン海まで見渡すことができる。展望を満喫したら、ハリスサドルへ戻り、ルートバーン・フォールズへと下る。ここが高山植物が咲き乱れるコース中随一のポイントで、12月の出発なら、マウンテンデイジーやマウントクックリリーが咲き誇る中を歩くことができる。
3日目は、トレッキング最終日。まず樹林帯の中を下る。下りきったところがルートバーン・フラットだ。広々とした河原にある小屋で温かい
お茶で休憩した後、いくつもの吊り橋を渡りながらルートバーン川沿いのトレイルを下る。途中、美しい河原でランチをとった後、トレイルエ
ンドでトレッキング終了。バスでクイーンズタウンへと戻る。




世界遺産(せかいいさん)とは、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて、世界遺産リストに登録された遺跡や景観そして自然など、人類が共有すべき普遍的な価値をもつものを指す、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継がれた貴重なたからものです。


サガルマータ国立公園は、ネパールの東部に位置し、1979年に世界遺産に指定された。この地域は、世界最高峰であるエベレスト(別名:ネパール語でサガルマータ)(8,850m)を筆頭に標高差6,000mに及ぶ地域をカバーし、森林地帯から高山、氷河が存在するまさに世界の自然が濃縮された場所である。また、このあたりには独自の文化をもつシェルパ族が、伝統的文化を維持しながら生活している。世界遺産登録される基準項目のひとつである「ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ、最高の自然現象または地域を含むもの」を十分満たしている魅力溢れる地域である。この山域には、エベレスト(8,850m)、ローツェ(8,516m)、チョーオ・ユー(8,201m)などの8,000m峰が密集して
おり、7,000m峰以上の山々も数多く聳え立っている。


ジリからエベレストベースキャンプまでを、エベレスト街道と呼ぶ。世界最高峰へのルートで、ネパールヒマラヤを代表するトレッキングコースである。世界中からのトレッカーの起点はルクラからスタートすることが多い。カトマンズから小型飛行機で約40分のフライトで標高2,800m
のルクラに着陸する。ルクラ飛行場から見える美しい三角錐の山はコンデ・リの前鋭鋒パーリである。ここからゆるやかに下ると、秀峰クスム・カングール(6,369m)が美しい。ドゥードゥーコシ川沿いにあるパグディン(2,610m)で1泊する。


▲広いシャンボチェの丘を行く。左はタウツェ、中央左よりエベレスト、ローツェ、アマダブラム(右)

翌日、ドゥードゥーコシ川の右岸を行くと、右前方に白く美しいヒマラヤ襞をまとったタムセルク(6,608m)が白く輝く。その後ジョサレにあるサガルマータ国立公園の入園手続きの後、高度差600mのナムチェバザールへの急登がはじまる。途中の木々の間から、待望のエベレストを見ることができる。やがて、道はすりばち状の地形をしたシェルパの里、ナムチェバザール(3,440m)に出る。ここは、電灯が灯り、郵便局や電話、銀行、おみやげ店、登山用品店などがあり、毎週土曜日には、バザールも開かれており、ネパールとチベットの交易は、今でも行なわれている。ナムチェバザール裏からゆっくり登るとシャンボチェの丘に到着。シャンボチェの丘にあるシャンボチェ・パノラマホテル付近からは、サガルマータ国立公園の代表的な名峰を眺めることができる。シェルパ族の信仰する聖なる山クーンビラをはじめ、ヌプツェ、エベレスト、ローツェ、アマダブラム、タムセルクなどが聳え立つ。また、背後には、岩壁の山塊コンデ・リがどっしりとかまえている。ここでミルクティーを飲みながら絶景を眺めれば、まさに至福の時である。





聖なる白く輝くヒマラヤの雪山を眺め、すれ違うトレッカーや村人にナマステ!と挨拶を交わしたり、家の軒先をかけまわるニワトリや水牛で畑を耕す光景に、遠い昔の心をくすぐられることだろう。また、トレッキング中に不要な荷物はすべて、ポータたちが運ぶので、トレッカー自身が重い荷物にあえぐことはない。宿泊は、以前は簡素なロッジばかりであったため、ツアーでは、テント泊が主であったが、最近は非常に快適なロッジが数多く建設されており、以前とは比べ物にならないくらいの設備になってきているため、ほと
んどの場合ロッジ泊となる。食事は、経験豊富なキッチンスタッフが、現地食から日本食まで提供している。
今年は、ネパールへ多くの新規航空路線が就航したこともあり、ネパールへのトレッカーが世界中から押し寄せてきており、カトマンズへの航空便やホテルが常に満杯状態である。ネパール・トレッキングを検討されている方は、早めに予定を決めたほうがよいだろう。

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