登山者を魅了するキナバル山
マッシュルームピーク、ドンキーイヤーズなどユニークなたくさんのピークからなるキナバル山。最高峰ロウズピーク(4095m)は、頂上台地の最奥に位置し、4000m峰ではあるが、岩登りの技術や特別な装備を必要とせずに登れるため、国内外を問わず、年間を通して多くの登山者が訪れる。登山目標は一般的に3300m付近にある山小屋で宿泊し、翌日登頂後に山麓まで下山する1泊2日の短い行程である。
憧れの4,000mの頂きへ
公園事務所(パークヘッドクォーター)で入山手続きを行い、先住民のガイドやポーターとともに、標高約1800m付近のティンポホンゲートより登山開始。植物保護や表土流出を防止するため、良く整備された尾根上のトレイルをひたすら登っていくが、適度な間隔で休憩場所(東屋)が設けられている。
標高2000m前後でも美しい原生林に包まれる山道では、見上げるようなシダの木や、木々に着生する様々なラン、しゃくなげの仲間などが、目を楽しませてくれる。
やがてメシラウコースからのトレイルとの合流点を過ぎると、ピッチャープラントと呼ばれる食虫植物ウツボカズラが見られる低灌木帯となり、その後、天候がよければ、進行方向にキナバル山の特徴的なパナールラバンの大岩壁が視界に入るようになる。山小屋は、この大岩壁が屏風のように広がる所に建っている。

▲登るにつれて植生が次々と変わる
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山小屋の各部屋には2段ベッドが複数あり、寝袋は必要なし。レストランが併設されているラバンラタ小屋では、温かい飲み物を注文できるので、水分をたっぷり補給しながら、腹式呼吸を意識しておくと高山病予防にもなる。
天候のよい早朝に登頂するため、未明に山小屋を出発する。ヘッドランプの明かりを頼りに、岩壁へと続くトレイルを登ると、やがて傾斜はゆるくなり、避難小屋となるサヤサヤ小屋に到着する。入山者カードのチェックを行い、いよいよ一枚岩の頂上台地へとりつく。目印として付けられた山頂まで続くロープに沿って登っていく。吹きさらしの岩盤上だが、麓に広がるコタキナバルの夜景と、頭上に広がる南十字星や美しい天の川の星空が疲れを癒してくれる。
日の出が近づいた頃に登りつく頂上台地(サミットプラトー)付近では、傾斜も緩やかになり、最高峰ロウズピークが迫ってくる。最後は岩が積み重なったトレイルを山頂へ。山頂からは、文字通り360度の絶景
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が広がり、4000m峰登頂という達成感がこみあげてくる。山頂部の展望を楽しみながら下山すれば、午後には山麓の熱帯の気候の中に舞い戻り、世界遺産に登録されたキナバル山の植物の垂直分布と、その気候変化を自身で感じることができる。利用者の少ないメシラウルートから下山すれば、より手付かずの自然の姿を間近に感じることができる。
野生動物の宝庫ボルネオ島
世界遺産に登録されたキナバル・パークをはじめ、美しい珊瑚礁の海とビーチが魅力のトゥンク・アブドゥル・ラーマン海洋公園や、原生の熱帯雨林が見られるダヌムバレー保護区域、またテングザルやボルネオゾウなど野生動物の観察スポットとなっているキナバタンガン川流域でのネイチャークルーズなど、ボルネオ島北部にはさまざまな見所があるため、日程に余裕があれば、キナバル登山の前後に訪れるとボルネオ島の違った魅力を知る機会になる。
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