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Newsletterより抜粋

近ごろの海外旅行ブームは「山の世界」でも例外ではありません。いまや海外トレッキングは、山を愛する人にとって、目的のはっきりしたあこがれの海外ツアーなのです。日本の山にはそのよさがありますが、氷河4,000m以上の山の迫力に触れることはできません。スケールの大きな山旅を求めるなら、やはり海外の山は魅力的です。
国内の山行だけで満足してしまわないで、海外の山に出かけてみませんか。
文 編集長:黒川 恵
●海外トレッキングってなに?
ひと言で海外登山といってしまうと、まるで経験を積んだクライマーのみのもののようですが、基本的に「トレッキング」は、登山愛好家ならばだれにでも楽しめるものです。そもそもトレッキングとは、オランダ語系南アフリカ語の「トレック」が語源で、徒歩旅行や牛車、馬車の旅を意味したようです。つまりトレッキングとは、重い荷物を背負って歩く登山とは違い、ゆっくりマイペースで歩くことのできる展望の山麓歩きなのです。そしてその旅のなかには、異文化との出会い、そこに住む人々とのふれあいなど、さまざまな旅の楽しみが付加されています。そういった新しい発見も、海外トレッキングの魅力のひとつといえるでしょう。
●個人手配か、パッケージ・ツアーか
すべてを自分でやり遂げる自信と、目的の山を調べつくす探求心があるのなら、パッケージ・ツアーに入らず、個人手配を依頼することもできます。旅行中のトラブルを自分で解決し、あらゆる疑問に自ら答えを出していくのは、かなりの精神力を要求されます。しかし、そうして自分自身がプロデュースした山旅が、無事成功したときの充実感は、なにものにもかえがたいものとなるでしょう。一方、不十分な知識や経験を補い、さまざまな点でサポートしてくれるパッケージ・ツアーは、心強い旅行手段です。トレッカー(旅行者)は必要最低限の荷物だけを背負い、大自然の景観をながめながら歩けばいいのです。初めての人や体力に自信のない人は、日帰りハイキング程度のツアーかガイドやポーターがつくツアーがよろしいのではないでしょうか。
●目的地決定と資料集め
軽いハイキングの延長といえるようなコースから、キリマンジャロ登山まで、海外トレッキングは幅広く、自分がどのようなトレッキングをしたいのかをまず絞りこむことが大切です。その際、山中での宿泊がテント(シュラフ)かロッジ(ベッド)か、食事の内容、一日の歩行時間やコース(登山道)の状態なども、重要なチェックポイントとなります。また自分の体力や、いままでの登山経験に見合ったコースを選ぶこともポイントです。
●ツアーの季節と種類
場所の設定に加えて、ツアーの内容を大きく左右するのが季節です。たとえばネパールに行こうとする場合、季節が夏(7、8月)であったら、ネパールはモンスーン期で雨になやまされ、交通機関にも支障がでてきます。海外の山は、当然、日本とは気候も異なります。ツアーの設定はそれぞれのベストシーズンにあわせてプランニングされているのです。秋から春にかけては、なんといってもネパール・ヒマラヤです。大気が澄み、ヒマラヤの峰々の展望が最もすばらしいときです。また、日本の冬が夏になるニュージーランドは、その逆転した季節を利用して訪れるトレッカーも多く、ニュージーランドのクリーンなイメージともあいまって好評です。夏から秋にかけては、ヨーロッパ・アルプスやカナディアン・ロッキー、アラスカが圧倒的に人気があります。高山植物を見るのなら6月下旬から8月上旬がよいでしょう。また最近は中国の山を訪れる人も多くなっています。パキスタン北部のカラコルムは7,000〜8,000m級の山々の麓を短期間でトレッキングできるのが魅力です。キリマンジャロのような6,000m近い山へいくのは、トレッキングというより登山そのものですから、それなりの体力が要求されます。また高山病対策も必要で、トレッカー自身の自覚も要求されてきます。
★必読 トレッキングの心構えとお願い★
パッケージ・ツアーに参加すれば、自分では特別な準備なしでも、トレッキングの一応の成果をあげることはできます。とはいえ、自分でもいろいろ調べてみることも重要なことです。参加するコースの日程を見て、途中に立ち寄る街の概要を、ガイドブックなどで調べるだけでも、その国の文化や風俗が伝わってくるでしょう。それにそういった基礎知識があれば、旅の楽しみや深みも倍増するというものです。現地の地図を買って、コースをたどるのも楽しいし、山頂を目指すツアーなら、過去の登山隊が訪れた周辺の遠征記録を読むのも一興です。
それから参加する側の心がまえとして忘れてならないのは、トレッキング・ツアーは山旅であるという点です。山の特性を十分に知っておくことが重要です。外気温は、標高1,000m上がるごとに約6℃下がり、標高5,000mなら、平地より30℃も寒く、空気中の酸素分圧は約半分になるのですから、十分な装備や心構えが必要になります。特に高山病の影響のあるコースなどでは、ツアーリーダーのアドバイスには耳を傾けてください。そしてトレッキング中は、健康管理に特に注意し、無理をせず安全登山を心がけてください。自分自身を守るのは自分であって、山は自らの体力と意志で登り、そして無理は禁物だということをあらためて認識してください。
「パッケージ・ツアー」とはいえ、すべてのことが主催旅行会社の管理下にはないということもぜひ、ご理解ください。また、トレッキングは共同生活でもありますから、パーティーの一員として、ほかの参加者の方との協調も必要です。自分中心の言動は慎み、ポーターやガイドの人々も含めて、みんなが気持ちよくトレッキングを満喫できるようにお願いいたします。
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