Newsletterより抜粋

羽田から南紀白浜空港へは日本航空でひとっ飛び。太平洋からアプローチする空港はとてもビジネス客でにぎわうことのないような路線だ。毎日3便が、冬は2便になるから、飛行機のやってこない時間帯、空港で働く人たちはいったい何をやっているのだろうかと、思わせるようなのどかでいいところだ。
それはさておき、小型チャーター・バスでまずは、中辺路へと向かう。 |
文と写真:黒川 恵
発心門王子から伏拝王子へ(徒歩約1時間)
小型バスは、本宮大社前からさらに北へ走りくねくねとした山道にはいる。道路工事のトラックとすれちがうときは苦労するような山道だから、大型バスで入り込むと迷惑なことだろう。

▲本宮聖域への入り口とされている発心門王子
発心門王子は、五体王子の一つで、小さいけど立派な社がある。これから本宮へ向かうわけだから、いにしえの人たちはきっとお祓いなどしてから鳥居をくぐったことであろう。今は昔、私たちがやることは、歩き出すまえのストレッチだ。同行してくれる「語り部さん」も交えて念入りに柔軟体操をおこなう。語り部さんとは、古道にまつわる歴史や文化や景観などをわかりやすく解説してくれる人たちのことである。

▲古道の途中には立派な案内板があり安心して歩ける
トレール脇には、今や盛りと紫色のノコンギクが咲き誇り、よくよく見るとアサマリンドウが一つ二つと咲いていて、群落になっているところもある。
30分も歩くと開けた場所にでて、左手高台には朽ちたコテージが何棟か建っている。とうの昔に廃業したリゾート・ホテルだそうだ。水呑王子はここにある。

▲果無山脈の説明版と三里富士(782.7m)
さらに30分ほど行くと山上からの果無山脈の眺めがよい。このあたりが伏拝の集落で、立派な休憩所とトイレのある伏拝王子はすぐそこだ。王子跡には和泉式部の供養塔が建ち、本宮大社旧社地である大斎原(おおゆのはら)の森を眺めることができる。たしかに、そのありがたさにひれ伏して拝んだ往時の人々の気持ちがわかるようである。
▲石段を登ると伏拝王子跡である
|
 |
伏拝王子から熊野本宮大社へ(徒歩約1時間)
伏拝王子の休憩所に、ネクタイ姿のビジネス・マンがなにやらデスクを出している。地元の郵便局員が熊野古道の記念切手を売っているのである。

▲「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録の記念切手
緩やかに登ってからしばらく下ると三軒茶屋跡である。十津川方面への熊野古道・小辺路の細い道が分岐している。ここから登りとなり、「ちょっと寄り道展望台」へ向かう。開けた展望地からは、大斎原の大鳥居がしっかりと見えるのである。
ここまで来れば、目的地熊野本宮大社はもうすぐだ。緩やかな石段を下って住宅地を抜けると祓戸王子である。ここで旅の汚れを拭い、ちりを払ってから熊野本宮大社の裏の鳥居をくぐって参拝することになる。
▲「ちょっと寄り道展望台」から眺める大斎原の大鳥居 |

文と写真:天野和彦
大雲取越え(徒歩約7時間)
日本三大瀑布の一つ那智の大滝が御神体として奉られている那智大社を参拝すると、本殿の奥で綺麗な巫女さんが神様に奉納する踊りの練習をしていた。本番を見てみたいが、今日は大雲取越えが控えているので歩き始めることとする。

▲那智・青岸渡寺と那智の滝
青岸渡寺の脇にある石造りの道標に導かれて杉の原生林の中の急登を登り、遠く太平洋が見渡せる舟見峠で海を眺めながら一息ついたら、死に別れた親兄弟に出会うと言い伝えのある八丁坂を下る。昼なお暗く、苔むした古道の先の小さな社を見ると雰囲気たっぷりな感じがする。また、このあたりでは空腹の旅人に取り憑くと言われるダルという魔物がすんでいるそうだ。
暫く下ると、奥深い熊野の山中には不似合いな立派な舗装道路にでて、トイレと東屋のある地蔵茶屋跡でお昼のおにぎりを食べることとする。再びの登りで大雲取越えの最難所越前峠に到着。杉の木々に囲まれ展望こそないが、静かに熊野古道の雰囲気を楽しめる。
急勾配が延々と続く胴切坂を下ると、苔むした石垣が当時の反映を物語る楠の久保旅籠跡に着く。人の手だけでよくぞこんな山奥にと思うような立派な石垣に感心させられる。

▲苔むす古道
梵字がほられた円座石は、昔、神々がここに座って談笑したとされている場所。円座石から30分程で、熊野古道最大の難所と言われる大雲取越えの終点小口の集落へ下ることができる。
|
 |
小雲取越え(徒歩約5時間)

▲桜茶屋跡
小和瀬の集落から小雲取越えへの登りに取りつくと、昨日と同じように最初はひたすらの登りが続く。今日の最高所、桜茶屋跡までくると、小口の集落の向こうに昨日越えてきた大雲取越えが眺められる。ここは山桜が多くあったところから名前が付けられたそうだが、ぜひ桜咲く季節に再び訪れて見たいものだ。
ここから先は杉木立の中に続くなだらかな稜線漫歩となり、妙法山の西面を進むと今日一番の展望台、百間ぐらに着く。まさに果てしなく続く山並みの果無山脈(ハテナシ・サンミャク)の展望が開けている。なだらかな稜線をゆっくりと下り、やがて熊野川の清冷な流れが見えてくると熊野古道の核心部、大雲取・小雲取越えも請川の車道に出て終わりを迎える。旅の最後に杉木立の中に続く158段の石段を登り、入母屋造りの社殿が並ぶ熊野本宮大社へ立ち寄る。

▲黒無山脈の展望 |

企画のポイント
1. 夜行バスや夜行フェリーを使用せず、湯ったり温泉に宿泊し、古道歩きの疲れをいやします。
2. 熊野古道を山歩きとしてとらえ、「文化と歴史、景観」にふれ、全コース熊野三山を訪れます。
3. 各地からご参加いただけるよう利便性を考え白浜または新宮から出発し、新宮にもどります。 |

(2日目17km。3日目21km。3日目2.5km)
●出発日 : 2005年1/23・2/20・3/27・4/17
・東京駅発着 98,000円 ・名古屋駅発着 84,000円
・新大阪駅発着 78,000円 ・福岡空港発着 118,000円
1.各地=JR白浜/JR新宮=渡瀬温泉
2.渡瀬温泉=滝尻王子−高原熊野神社−箸折峠−近露−野中の清水=渡瀬温泉
3.渡瀬温泉=野中の清水−小広王子−三越峠−猪鼻王子−発心門王子−熊野本宮大社=渡瀬温泉
4.渡瀬温泉=新宮市=大門坂−那智大社−那智の滝=神倉神社=速玉大社=JR新宮=各地 |

(2日目14.5km。3日目13km。4日目2.5km)
●出発日 : 2005年1/19・2/16・3/23・4/13
・東京駅発着 98,000円 ・名古屋駅発着 82,000円
・新大阪駅発着 78,000円 ・福岡空港発着 118,000円
1.各地=JR白浜/JR新宮=那智の滝=大門坂−那智大社
(青岸渡寺宿坊)
2.那智大社−大雲取越え−小口
3.小口−小雲取越え−請川=渡瀬温泉
4.渡瀬温泉=熊野本宮大社=新宮市=神倉神社=速玉大社=JR新宮=各地 |

(2日目12km。3日目2.5km)
●出発日 : 2005年1/24・2/21・3/28・4/18
・東京駅発着 88,000円 ・名古屋駅発着 74,000円
・新大阪駅発着 68,000円 ・福岡空港発着 108,000円
1.各地=JR白浜/JR新宮=渡瀬温泉
2.渡瀬温泉=滝尻王子−高原熊野神社=道の駅中辺路−箸折峠−近露=野中の清水=発心門王子−熊野本宮大社=渡瀬温泉
3.渡瀬温泉=新宮市=大門坂−那智大社−那智の滝=神倉神社=速玉大社=JR新宮=各地
|

(2日目12km。3日目2.5km。4日目4.5km)
●出発日 : 2005年1/23・2/20・3/27・4/17
・東京駅発着 108,000円 ・名古屋駅発着 94,000円
・新大阪駅発着 88,000円 ・福岡空港発着 118,000円
1.各地=JR白浜/JR新宮=渡瀬温泉
2.渡瀬温泉=滝尻王子−高原熊野神社=道の駅中辺路−箸折峠−近露=野中の清水=発心門王子−熊野本宮大社=渡瀬温泉
3.渡瀬温泉=新宮市=大門坂−那智大社−那智の滝=神倉神社=速玉大社=勝浦市
4.勝浦市=大泊−松本峠鬼ヶ城−木本−花の窟神社=JR新宮=各地
|
| =:交通機関 −:徒歩 |
|