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Alpine Square / アルパイン広場

7月27日出発 「カムチャッカ半島アバチャ山登頂と 花のバチェカズェッツ山麓 5日間」

7月27日出発 「カムチャッカ半島アバチャ山登頂と 花のバチェカズェッツ山麓 5日間」

世界遺産の火山群を擁するカムチャッカ半島

「カムチャッカ半島アバチャ山登頂と花のバチェカズェッツ山麓 5日間」のコースに同行してきました。毎年、7~8月のみ運行される夏季チャーター直行便を利用して、東京(成田)からたったの3時間半で到着しました。カムチャッカ半島は意外と近いのです。5日間の場合、初日と最終日が移動日としても、中3日間はたっぷりと楽しむことができます。面積は日本の約1.2倍とひと回り大きく、「火山の博物館」と呼ばれるほど多彩な火山があるのが特徴的です。一方、日本の人口密度は335人/1平方kmに対して、カムチャッカ半島は0.7人/1平方kmで、さらには熊の方が人間よりも多いという雄大さをあわせもっています。今回は30代から70代の方まで幅広い年齢層の方にご参加いただき、和気あいあいと旅行が始まりました。

機窓からコリャーク山(写真左)とアバチャ機窓からコリャーク山(写真左)とアバチャ

花のバチェカズェッツ山麓ハイキング

花を求めてバチェカズェッツ山麓を訪れました。緯度が高いため、標高約500m付近の散策でたくさんの高山植物が見られる嬉しい場所です。歩き始めてすぐに色々なお花が迎えてくれました。チシマフウロ、ハクサンチドリ、クロユリなどの花が次から次に登場してくるお花を楽しみました。コースの終盤ではこのエリアのハイライト「キバナアツモリソウ」の大群落が待っていました。「すごい!!」と何度も口からこぼれるほど圧巻の散策路でした。最初に見つけてから、しばらく歩く間ずっと一面に広がっていたので、その数は幾千もあったことでしょう。日本では絶滅危惧種に指定されている貴重は花です。手の指と比較しても非常に小さくて可愛らしい花を、みなさん夢中で写真を撮られていました。なお、このコースは花と同様に蚊も多いのです。ぜひ、防虫ネットなどを持参されると安心です。

一面どころか一帯に広がるキバナアツモリソ一面どころか一帯に広がるキバナアツモリソ

アバチャ山のベースキャンプ(標高800m)に到着!

アバチャ山のベースキャンプには、普通の車ではいけません。雪や大雨で道は流されてしまうため舗装できない悪路を行くためです。直径1mほどもあるタイヤが6つついた四輪駆動ならぬ六輪駆動車でガタガタ揺られながら町から1時間半、アバチャ山とコリャーク山の間にあるベースキャンプへ到着しました。ベースキャンプには写真のようなキャビンが点在しており、中には二段ベッドが複数あります。少ないながらコンセントもあるので部屋の方と譲り合いながら充電することもできます。アバチャ山登山の前夜祭として夕食時には町の市場で仕入れてきたイクラやカニ、サケで海鮮丼パーティを楽しみました。中でもキングサーモンのイクラは大粒で贅沢そのものでした。夕食後、到着時はガスがかかっていた山も顔を出してくれたので、「明日はあのルートを登るんですよ」と予習をして、21時過ぎのまだ明るいなか就寝しました。

アバチャ山ベースキャンプから見るアバチャアバチャ山ベースキャンプから見るアバチャ

アバチャ山(2,741m)登山

いよいよアバチャ山への登頂日です。早めに朝食をとり、7時過ぎにベースキャンプを出発しました。快晴の中、徒歩30~45分おきに休憩とこまめな水分補給を心がけゆっくり登っていきます。何度か通過した雪渓では軽アイゼンを使うことはありませんでした。標高を上げるごとにベースキャンプは彼方になり、見上げていたラクダ山を見下ろしながら登山の充実感を感じながら登って行きました。最後のザレた急登を登りきると強烈な硫黄の臭いが頂上で迎えてくれました。見事全員が登頂し、ハイタッチして喜びを分かちあいました。煙を上げる火口は活火山そのもので固まった火山岩の景観は登頂者だけが見られる絶景でした。後ろ髪をひかれながらも下山を開始。秀麗なコリャーク山(3,456m)と点在する雪渓、火山帯特有の砂礫帯が入り混じった風景はただひたすらに美しいものでした。12時間を越える行動時間に下山後は疲弊しながらも登頂の喜びに浸る夜となりました。
アバチャ山はサミット愛好家を充分に満足させてくれる名峰です。
ぜひ来年挑戦してみてください!

コリャーク山を見ながらの下山コリャーク山を見ながらの下山